暑い夏に負けない体づくり ~水分補給・栄養補給・自律神経を整えて夏バテを予防しよう~

2021年は全国的に暑い夏!暑い日が続くと、食欲がなくなったり、夜は寝苦しくてよく眠れない・・という方もいるのではないでしょうか?「食欲がない」「体がだるい」と感じたら・・・「夏バテ」。さらに症状が悪化して、「気力がなくなった」「めまいがする」など、こんな症状がでたら、「夏負け」(気血不足)かもしれません。こうなる前に、夏の暑さに負けない体づくりをしましょう。

夏バテは、体内の水分やミネラルが不足する「脱水」と食欲が低下することによる「栄養不足」、そして体内の環境を整えることができないことによる「自律神経の乱れ」が主な原因です。夏バテを予防するための水分補給・食事による栄養補給・自律神経を整えるポイントをお伝えします。

水分補給のポイントは「こまめに摂る」

私たちの体は、呼吸・汗・尿などで一日に約2.5ℓの水分が排出されます。一日2.5ℓの水分を補給しなくてはなりませんが、食事等に含まれる約1.3ℓの水分を除くと、約1.2ℓの水分を毎日補給する必要があります。
体内の水分のバランスが崩れて、体内の水分が2%少なくなる時にのどの渇きを感じます。しかし、冷たい飲み物を一気に飲むと胃液が薄まって消化力が低下したり、内臓にも負担がかかります。
のどが渇いてから水分を摂るのではなく、渇きを感じる前に水分摂取することを習慣にしましょう。朝起きたとき・朝食時・10時ごろ・昼食時・15時のおやつで・入浴前・夕食時・寝る前の8回に150ccに分けるなど、こまめに水分補給をするとよいですね。一度に飲む量が150ccでは多いという場合は、一日8回を12回にするなど回数を増やして水分を摂りましょう。

汗などで失われた水分やミネラル分を補うためにも、食事だけでなく、10時・15時の間食もしっかりとりましょう。栄養が偏らないよう、できるだけ多くの食材をとりましょう。そうすることでエネルギー、たんぱく質だけでなく、汗で失われるビタミンやミネラルを補うことが大切です。糖質をエネルギーに変えるビタミンB1。ビタミンB1の吸収を助けるアリシン。そしてストレス軽減の効果があるビタミンCがなどを積極的にとりましょう。

ビタミンB1・・・豚肉、うなぎ、玄米、大豆 などに多く含まれています。
アリシン・・・ニンニク、玉ねぎ、ねぎ などに多く含まれています。
ビタミンC・・・緑黄色野菜、果物 などに多く含まれています。

規則正しい生活で自律神経をととのえる

自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスをとりながら働いていますが、交感神経と副交感神経が正しく作用されるためには「快眠と体内時計の調節」「適度な運動」「腸内環境を整える」ことが大切です。
寝苦しい熱帯夜や日中の猛暑日に、エアコンの「ヒヤッとした空気」は気持ちがいいものですが、体を冷やしすぎないように27~28℃の設定にするなど快眠環境を整え、6~8時間の睡眠を心がけましょう。39~40℃のお湯で10分程度の半身浴・軽い全身運動・ウォーキングも質のよい睡眠につながります。

そして一日のリズムや体温、ホルモンの分泌を調整している体内時計は、朝日で整えます。朝日を浴びると「気持ちがいい」「すがすがしい」と感じるのは気分だけの問題ではありません。「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが出て「すっきり目覚めさせる」「やる気を出させる」など自律神経のバランスを整えるように働きます。セロトニンは特に腸に多く、蠕動運動を活発にします。日頃から腸の調子を整えていると「幸せホルモン」が出やすくなるのです。

ツクイの栄養士おすすめ!夏の腸活

「幸せホルモン」であるセロトニンの多い腸ですが、腸は免疫細胞の7割が集まる「全身の免疫本部」といわれています。
「腸活」とは、腸内環境を腸内細菌のバランスがとれた状態(腸内の善玉菌が悪玉菌より多い状態)に整えることです。善玉菌を含む納豆や乳製品などの発酵食品だけでなく、野菜やキノコなどの食物繊維やオリゴ糖など善玉菌の餌となる食品も摂るようにすると善玉菌がパワーアップしていきます。朝食に納豆や味噌汁、朝食後にバナナヨーグルトを加えるのもおすすめです。
熱い時期のおやつに手軽に飲めるのでおすすめしたいのが、「冷し甘酒」。米麹から出来た甘酒は、「飲む点滴」と呼ばれ、水分だけでなく「おいしい腸活ジュース」として最近スーパーでも多くの種類が販売されています。そのままでもよいのですが、砂糖やはちみつ、しょうが汁を加えておいしくお召し上がりください。

ツクイの栄養士おすすめ!そうめんアレンジ

「熱い夏の日」そうめんなどの冷たい麺類はのど越しがよく美味しいのですが、そうめんに、ひと手間加えて「豚しゃぶ」や「茹で卵」「茹で野菜」を添えることで栄養価が断然高くなります。そしてそれらの栄養が体の中で効率よく利用できるよう「中華風甘酢たれ」で食べるのがポイントです。梅干しやレモンなどのかんきつ類、食酢に含まれている酸っぱい味の成分であるクエン酸は、疲労の原因となる乳酸の生成を抑制し、疲れや肩こりなどの予防・改善に役立ち、胃酸の働きを助けて食欲を増進する効果があります。
また、ゴマ油に含まれている抗酸化成分ゴマリグナンは、肝臓に蓄積して酸化から守ってくれて、体調を整えるビタミンやミネラルの働きが良くなり結果的に夏バテしにくくなる「夏バテ予防の最強レシピ」に変身します。

こまめな水分摂取、自律神経をととのえる規則正しい生活と睡眠。そして腸活と栄養バランスの取れた食事で、暑い夏を元気に過ごしましょう。

コラム監修

株式会社ツクイ
根本 文子
管理栄養士/介護支援専門員/社会福祉士

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株式会社ツクイ
根本 文子
管理栄養士/介護支援専門員/社会福祉士

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