メイクやネイルで癒し時間 ～身だしなみを整えて心もキラキラ～

歯磨き、洗顔、整髪、爪切り、ひげそりなど身支度を整えることを「身体整容」といいます。
身体整容は清潔を保つためにも大切なことですが、身だしなみを整える事で、内面も本来のその方らしく生き生きと輝いてくることも多いそうです。

今回は、介護付有料老人ホーム「ツクイ・サンシャイン会津若松」のリラクゼーションクラブで、メイク・ネイル・ハンドトリートメントなどに取り組む「整容介護コーディネーター」の仮名さんに話を聞きました。

以前は、美容師をしていましたが、祖母の介護をきっかけに介護の仕事を始め、「整容介護コーディネーター」「ハイジェニックビューティシャン」の資格も取得しました。メイク好きのスタッフと一緒に月に一度「メイクアップ教室」を始め、現在は女性だけではなく男性のお客様にも楽しんでほしいという思いから「リラクゼーションクラブ」と名前を変更して、メニューに足浴やハンドトリートメントを追加し開催しています。

メイクやネイル、きれいになるのは見た目だけじゃない

リラクゼーションクラブのスタッフは美容師の経験を持つスタッフやメイクが大好きなスタッフで運営しています。
せっかくですからお客様に心身ともにリラックスしていただける特別な時間を味わっていただきたいとメイク・ネイル・フットケア・フェイシャルケアの4つのメニューをご用意（2021年8月現在）。アロマオイルを使った足浴や、ヒーリングミュージック、ハーブティーを準備して心地よい時間を五感で愉しんでいただきます。高齢のお客様には不安感をお持ちの方もいらっしゃいます。心に働きかけるケアで苦痛を和らげたいと思うようになり、タッチングも取り入れています。お客様の肌に触れるタッチングには癒しの力があると考えているので“ゆったりと心をこめてやさしく”と心がけています。

トリートメントが終わると、見た目だけでなく、まるでその方が内側から輝いてくるように表情も生き生きとしてきます。
お客様の中にはオシャレが好きで、日常的にご自分でメイクをされている方も多くいらっしゃいますが、中には視力が低下してご自分でメイクをするのが難しい方もいらっしゃいます。そんなお客様へスタッフがメイクをして差し上げると、想像以上に喜んでくれたり、元気がなかったお客様に積極的な様子が見られたり、ご自分でもネイルを始めたり、中には「このクラブが私の生き甲斐よ」「毎日指先のネイルを見るたびに明るい気持ちになれる」などと仰っていただくこともあります。お客様がきれいになって生き生きされると、私たちスタッフのモチベーションもますます上がります。

高齢者へのメイクやトリートメント、注意することは？

待ち時間に、しっかりとコミュニケーションをとって「してほしいこと」「してほしくないこと」を確認します。またメイクやトリートメントをする際にはお客様の肌に触れますので清潔に、そして手が冷たい場合は温めておくこともあります。
メイクをする際は赤みや傷がないかよく観察して、赤みがある等の場合はフルメイクではなく、眉毛だけ、リップだけなど無理のない範囲でメイクをしています。
ネイルも乾燥しているときは無理をしません。「爪が少し痛んできたな」と感じたら、ネイルをオフして爪を保護してくれる強化剤のみつける場合もあります。
また、爪を切るときは紙やすりを使うことがおすすめですよ。
高齢者の皮膚は若い方に比べて薄いので、トリートメントをする際は保湿をしながらできるだけ優しく行なうようにしています。

シニア世代のメイクのポイント

年齢を重ねた肌は血色感がなくなりがちなので、アイシャドウやネイルもブルー系よりも肌なじみの良いベージュ・ピンク系をおすすめします。メイクをする前にやさしくマッサージをすると、血色が良くなったり、口元のむくみやたるみを和らげる効果もあります。ぜひ取り入れてみてください。


「夢は介護セラピスト」と語る仮名さん。お客様に安心してお過しいただくために、非言語のコミュニケーションでもあるタッチングを大切にし、お客様お一人おひとりに合った心地よさを見つけて不安感を和らげるツクイ・サンシャイン会津若松の「リラクゼーションクラブ」。次の目標は頭皮を健康にするスキャルプエステなど新メニューの開発です。同じ情熱をもつスタッフとともにリラクゼーションクラブの挑戦はまだまだ続きます。

「整容介護コーディネーター」・・・福祉・医療現場で高齢者・障害者の美容ニーズに対応できる、整容介護の専門知識・技術を身につけ、高齢者・障害者の生きがいづくりと精神的なケアの確立のために活動を行なうことを目的とした資格
「ハイジェニックビューティシャン」・・・高齢者を対象に爪のケア、ハンドやフットのトリートメントケアなどの「清潔ケア」を提供することを目的とした資格