知って安心認知症

高齢化に伴い認知症の方の数は増加し、今では世界共通の大きな課題となっています。
一方で研究が進み、人々の認知症の方への理解と支援の輪も広がっています。
認知症を正しく理解することで、一緒に笑顔で穏やかな生活を継続することが可能であることを皆様にお伝えしたいと思います。

認知症ってなに?

認知症とは脳に何らかの異常が起きて認知機能が病的に低下し、社会生活や対人関係に支障が継続する状態を指します

  • 脳のどの部分に障害が生じたかで症状が変わる
  • 先天的なものではない
  • 年齢が高くなるほど発症する可能性が高まる
  • 65歳未満の方の場合は若年性認知症と呼びます

働き盛りの認知症・・・
経済的な負担が大きく家族・職場など周囲への影響も大きくなります。

Point …ご本人の想いは?

風邪をひけば『熱が出る、咳が出る』のと同じ様に、認知症を引き起こす病気にかかれば『忘れる・分からないことが増える』
「仕方ないのです。だから、私を叱らないでください」

加齢による「もの忘れ」と「認知症の記憶障害」の違い

加齢によるもの忘れ

  • 体験の一部分を忘れる
  • ヒントを与えられると思い出せる
  • 時間や場所などは正しく認識できる
  • 日常生活には支障がない

例えば …「昨日の晩御飯、何食べたっけ?」「今日は何曜日だっけ?」

認知症の記憶障害

  • 体験全体を忘れる
  • 新しいでき事を記憶できない
  • ヒントを与えられても思い出せない
  • 時間や場所の認識が混乱
  • 日常生活に支障がある

例えば … 「今日の昼御飯、食べてないよね?」「今月は何月だっけ?」

認知症はいろいろ

主な原因疾患

  • アルツハイマー病
    :認知症の原因疾患のうち約50%を占めるβアミロイド・タウ蛋白の蓄積により脳が委縮
  • レビー小体病
    :「幻の同居人」と言われる生々しい幻覚・幻聴。パーキンソン症状の出現。自律神経が不安定になり、転倒リスクが増える
  • 前頭側頭型認知症(ピック病など)
    :社会的常識から逸脱した行動や反復行動、失語・性格変化が目立つ
  • 脳血管性認知症(脳梗塞・脳出血・脳動脈硬化)
    :できること・できないことが際立ってくる。感情が不安定になりやすい。麻痺が現れることもあり、歩行障害が出やすい
Point …受診

脳に障害のある人全てが認知症になる訳ではありません。治療により治る認知症や症状が軽減されるものもあります。(例えば、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症など)

原因疾患により薬の処方もケアも異なる
間違った薬を服用したり、間違ったケアを受け続けたりすると症状が悪化します。おかしいと思ったらすぐに受診。

早期発見・早期治療

認知症の方への支援 心のバリアフリー

3つの「ない」ともう一つの「ない」

驚かせない:何が起きているのかを理解するのに時間がかかります
急がせない:次に何をしたら良いのかがすぐには分かりません
自尊心を傷つけない:自信を失います
そして否定しない:認めて貰えないと怒りや悲しみの感情が生まれます

7つの具体的な対応のポイント

  • まずは見守る
  • 余裕をもって対応する
  • 声をかけるときは1人で
  • 後ろから声をかけない
  • 相手に目線を合わせて優しい口調で
  • おだやかに、はっきりした話し方で
  • 相手の言葉に耳を傾けてゆっくりと

こんな時には・・・

認知症かもしれないと思った時

  • かかりつけ医があれば、まず相談
  • かかりつけ医がなければ、最寄りの役所の福祉担当や包括支援センター、介護保険を利用していればケアマネジャーに相談。認知症の診断ができる医療機関を紹介してくれます
  • 本人に受診する気持ちがない場合は、ご家族だけで相談をしてみましょう。病院へ行かなくても訪問指導を受けることができる場合もあります
Point …前向きに

認知症かも…と思った時にご本人はどんな気持ちでしょうか?
これから自分はどうなるのかという不安に押しつぶされそうになるかもしれません。でも、認知症になってもその方の心や人格が失われることはありません。大切な人達と一緒にできることを最大限に活かして、社会の一員として共に歩むことができるのです。
どんな薬よりもご本人にとって大切な人達の笑顔が認知症の方を笑顔にする、ということを忘れないでください。相談の窓口も、そしてご本人やご家族を支える集いも沢山あります。

認知症予防

発生のリスクを減らす

生活習慣病の予防を心がけましょう

  • 高血圧・脂質異常症・糖尿病などを予防
  • バランスの取れた食事
  • 定期的な運動習慣「階段は薬と思え」

脳の活性化を図る

人生を楽しみましょう

  • 心地よい刺激、笑いは健康のもと
  • 前向きに明るく生きる(ストレスはNG)

社会との接点を持ちましょう

  • 友人や家族と楽しく過ごす
  • 他人の役にたつ充実感。役割・日課

目的のある人生を送りましょう

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