免疫力を上げる3つの栄養素

梅雨から夏にかけて、食中毒や熱中症などで体調を崩す方が増える季節ではないでしょうか。様々な場面で、予防策を目にする機会が増えてきました。
この過酷な季節を突破するための準備を、かつて日本人は、春には山菜を食べ、お茶を飲み、腸内環境を整えて食中毒に備え、暑さ厳しい夏には「ぬかみそ漬け」でビタミンB類を補給して乗り切りました。まさに先人達の優れた知恵ですね。

食中毒を例にして考えると、一般に食べる量が少なければ、たくさん食べた人より食中毒になりにくいのは確かでしょう。しかしそれ以外に、同じ料理を食べて食中毒になるかならないかのポイントは免疫力。特に乳幼児や高齢者、持病のある人など、抵抗力が弱い人は食中毒が重症化しやすいといわれています。
今回は免疫力を高めるための食品についてご紹介します。

免疫力アップに欠かせない栄養素

①ビタミンB、C、A、E群

現代人は食事だけで必要となるビタミンBを摂ることは難しいため、サプリメントで摂ってもよいですね。

多く含む食品
ビタミンB レバー・うなぎ・卵・納豆・乳製品・葉菜類
ビタミンC 果物(とくにかんきつ類イチゴ)・野菜・いも
ビタミンA チーズ・卵・緑黄色野菜・うなぎ・レバー
ビタミンE アーモンドなどのナッツ類・うなぎ・たらこ・西洋かぼちゃ・アボカド

②抗酸化食品

抗酸化物質は、がん・動脈硬化などの病気や老化を予防する働きがあります。体の中で抗酸化物質を合成するには、抗酸化作用をもつ栄養素を摂取することが大切です。その代表は、銅・亜鉛・セレンです。以下の食品を積極的に摂るようにしましょう。

多く含む食品
ほたるいか,するめ,いか,牛レバー,干しえび,ココア
亜鉛 牡蠣,かつお塩から,鮑,からすみ,鯖節,田作り
セレン 鰹節,牛・豚腎臓,あんきも,たらこ,黒マグロ,鰹

③緑茶カテキン

緑茶が腸内で短鎖脂肪生成を促すことをご存知でしょうか。近年「腸脳相関」と話題にもなっていますが、腸と脳は自律神経系や液性因子を通して互いに影響を及ぼしあっています。短鎖脂肪酸は、腸内環境・便通・過敏性腸症候群などに優れた効用をもたらすことが分かってきました。私たちの研究では、エネルギー所要量2,000kcalの人の場合、緑茶カテキン600mgを一日に摂ることが理想です。600mgはお茶約10杯分に相当します。ヨーグルトに粉末茶をかけて食べるのもおすすめです。

何気ない食事でも食品の持つ栄養素を意識して、免疫力の高い身体づくりを目指しましょう!

コラム監修

株式会社ツクイ 顧問 金谷節子
金谷栄養研究所所長(元浜松大学健康栄養学科教授)、管理栄養士

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