フレイルを知って、早めの介護予防を!

フレイルを知って、早めの介護予防を!

介護予防とは、「要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐこと、さらに軽減を目指すこと」と定義されます。また、高齢者の運動機能・栄養状態などの個々の要素の改善だけを目指すものではなく、心身機能の改善や環境調整などを通じて、個々の高齢者の生活機能(活動レベル)や参加(役割レベル)の向上をもたらし、それによって一人ひとりの生きがいや自己実現のための取り組みを支援し、生活の質(QOL)の向上を目指すものです。

介護予防の段階と取り組み

フレイルとは?

人は年齢を重ねると外出の機会が減り、心と体の働きが弱くなることがあります。この状態をフレイル(虚弱)と言います。フレイルの状態は、弱くなっている部分にアプローチすることで、もとに戻る可能性があります。フレイルは日常生活の中では気づきにくいことがあるので、まずは、現在の身体機能や認知機能の状態を確認してみましょう。

フレイルの三要素

「ソーシャルフレイル」「コグニティブフレイル」「フィジカルフレイル」これらの三要素はそれぞれが互いに歯車のように密に関連しながら、そして互いに増強し合うような形でフレイルを悪化させます。1つを断ち切るというより、総合的にとらえて断ち切ることが必要です。

ソーシャルフレイル 『社会性』の虚弱、閉じこもりや孤食等

自宅や外出先でのコミュニケーションの機会が少ない、自分からは話さないなど、話さないことで相手の気持ちを読んだり、配慮する力が弱くなることがあります。日常的にコミュニケーションを取る機会を増やしていきましょう。

コグニティブフレイル 『こころ/認知』の虚弱、うつ、認知機能低下等

認知機能面の低下が疑われない方の中でも、日常的に生活変化が少ない又は活動性が低くなっている状態の方は、日常的な脳への刺激量が少なくなり、認知機能・精神機能低下の可能性が高くなります。家庭内で役割をもってもらう事や、会話や活動へ積極的に参加を促す等を行い、疲れすぎない程度の活動を提供していきましょう。

フィジカルフレイル 『身体』の虚弱 ロコモ、サルコペニア、オーラルフレイル等

日常生活動作を保つためには、今の自身の体の状態を見直し、週2回くらいの「少し疲れた」を感じる運動をしましょう。日常生活動作以外の運動時間を作り、筋力や体力の維持・向上、日常生活での維持向上を目指し運動していきましょう。

かんたん!フレイル チェック

簡易フレイルインデックス

  1 ウォーキングなどの運動を週1回以上していますか?
  2 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか?
  3 6カ月間で2~3㎏以上の体重減少がありましたか ?
  4 5分前のことが思い出せますか?
  5 (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする

3項目以上該当の方・・・フレイルの可能性が高いです。
1~2項目該当の方・・・プレフレイルの可能性が高いです。
該当なし の方・・・フレイルの心配はありません。

介護予防体操

ここでは、認知症予防(脳の血流量増加)、筋力低下の予防を目的としたトレーニングをいくつか紹介します。

介護予防体操 ~脳のトレーニング~

【逆唱課題】
文字を逆さから読むことで脳の機能を使い、脳への負担を与え、脳血流量を増やそう

①70から8を引いていく(70-8=62・62-8=54・・・・)
②「あいうえお」の逆唱(お、え、う、い・・・)

日常生活でも会話や活動の中で積極的に「考えること」が大事です。
文字を逆さから読むことに慣れてきてしまったら脳への負荷になりません。
新しいことに挑戦し、少し疲れるくらいの負荷を脳へ与えましょう。

【その他】
♪「あんたがたどこさ」の歌を歌いながら「さ」のときだけ、歌わずに手を叩く。

介護予防体操 ~体のトレーニング~

【下肢の運動】股関節の周りや太ももの部分の筋肉の運動
立ち座り動作、歩く動作に必要な筋肉が鍛えられます。

※運動だけではなく、タンパク質やアミノ酸などの栄養摂取を併用することが効果的です。栄養の摂取タイミングとしては運動前後が好ましいです。

参考資料・介護予防マニュアル改訂版(三菱総合研究所)・住み慣れた街でいつまでもーフレイル予防で健康長寿ー(東京都多職種連携連絡会)・高齢者理学療法(医歯薬出版株式会社)・健康長寿ネット・公益財団法人長寿科学振興財団

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