
9月は世界アルツハイマー月間として世界各国で認知症の啓発活動が行われています。私たち一人ひとりが認知症への理解を深めるたり、子ども達に伝えていくことで、地域で認知症の方やご家族を見守れたらいいですね。今回は幅広い世代にやさしく認知症について知ってもらうために、おすすめの本をご紹介します。
「ばあばは、だいじょうぶ」
楠 章子 作 / いしい つとむ 絵
童心社
つばさくんの大好きなばあばが、「わすれてしまう病気」に。だんだんと症状が進行していく様子が認知症の特徴的な症状と共に描かれています。そして冬のある寒い日、ばあばがいなくなってしまい、つばさくんがばあばの部屋で見つけたものは・・・。
介護をする家族の葛藤を描きながらも、症状が進んでいく本人の不安や混乱する気持ちも理解することができる絵本です。

「とんでいったふうせんは」

ジェシー・オリベロス 作 / ダナ・ウルエコッテ 絵 / 落合 恵子 訳
絵本塾出版
思い出を風船に例えられていて絵本を通して子供にも認知症や老いるという事がどのようなことなのかを分かりやすく伝えられる本です。
最初はたくさん持っているおじいさんの風船が一つひとつ空に飛んでいってしまい、ついに少年との大切な思い出の詰まっている銀色の風船も・・・。落ち込む少年のその後の行動に気持ちが温かくなる一冊です。
「一本の線をひくと」
藤川 幸之助 作 / 寺田 智恵 絵
クリエイツかもがわ
「こどもに伝える認知症シリーズ」の5冊に入っている一冊です。認知症を知らない僕と知った後の僕。認知症になる前のおばあちゃんとなった後のおばあちゃん。1本の線をひいてしまうと場所が2つに分かれてあっちとこっちができる。そこから始まるこの本は、偏見や差別という難しいテーマに一歩踏み込んで問題提起をしています。主人公の男の子が認知症という病気を知ってどのように変わっていくのか。認知症という病気について伝えるだけでなく、偏見や差別についても考えさせられる絵本です。

「フレディの遺言」

フレディ 松川 作 / こころ 美保子 絵
朝日新聞出版
認知症の方と触れあっている医師が書かれた本です。本の前半は「もし私が認知症になったらこのように接してほしい」という認知症の方の視点で書かれています。
何度も同じことを言う、幻覚が見える、夜が怖い、そんな認知症の症状が出るときにどうしてほしいのかを、やさしく分かりやすく伝えてくれます。
本の後半は介護する側が心得ておきたい情報が記載されておりに認知症に対する理解が深まります。
※2008年に発売された本の為、情報は当時の内容となっています。
「ねぼけノート」認知症はじめました
あさとひわ 作
朝日新聞出版
認知症の介護という難しいテーマを題材にしながら、かわいらしい絵とおもわずクスっと笑ってしまう内容に、落ち込んだり介護で疲れた気持ちが少し軽くなるかもしれません。
現在家族の介護をしている人や介護の経験をした人には「あるある」という場面が満載のマンガです。

