技能実習生の日本語作文がコンクールで最優秀賞に選ばれました!

2020年08月13日

今日はうれしいお知らせです。
ツクイ・サンシャイン町田東館でケアクルー(介護職員)として勤務するニャンさんの作文「マスクなんかいらない」が、日本語作文コンクールで見事、最優秀賞に選ばれました!
受賞作品をご紹介します。

「マスクなんかいらない」

私が来日した1年前は桜が満開で人々が楽しそうにお花見をしていた時期でした。しかし、今年はそれができません。そして、これは私の施設にいるお客様も同じです。しかもお客様にとっても私にとっても悲しいのはお花見よりも笑顔が見られないことでした。

昨年6月、私が施設へ配属になった時はとても不安でした。「お客様はいい人かなあ」「私の日本語は通じるかなあ」といろいろ考えてしまいました。介護の仕事を始めた頃は今と違って会話も上手ではありません。しかし、そんな中で私を一番応援してくれたのは身近にいるお客様でした。お客様が私にやさしくゆっくりと話しかけてくれたことで、毎日のお客様との会話がどれだけ私の心の支えになってくれたことか。私は自然と笑顔で接することができるようになりました。

私は日本で仕事をする前に先生から介護の様々な知識を教わりました。その中で介護技術の前の基本中の基本としてあいさつと笑顔が重要であることを学びました。私は介護の仕事をするようになってからもこの2つはいつも意識しています。しかし、今はマスクをずっと着けていなければならず、これまでとは違う接遇になってしまっているのです。今でこそコロナウイルスへの感染予防のために仕事中はずっとマスクを着けていますが、インフルエンザの予防時期を除いては通常マスクをつけることはありません。お客様は私達職員が話す時の表情を見ています。特に耳の遠いお客様は口元を見て理解することもありますし、何より笑顔で話しかけることでお客様は安心することができるのです。しかし、今はその笑顔をお客様に届けることができません。先日も親しいお客様から「あなたは歯がきれいなのにずっとマスクをつけているから笑顔が見られなくて残念だわ」と言われました。私達がマスクを着けなければならない理由はお客様もわかっています。でも、やっぱり私の笑顔が見たいというお客様の気持ちを考えると私は毎日がとても切なく感じます。

介護の仕事ではお客様とのコミュニケーションがとても必要ですが、私はお客様と笑って過ごす時間が介護の仕事をしていて一番喜びを感じる時でもあります。『笑う門には福来る』ということわざが日本にはあるように笑顔は人を幸せにするする力があると言います。私はお客様を笑顔にさせることでお客様を幸せにしたいと思っています。マスクにはウイルスの感染を防ぐ役目がありますが、それと同時に笑顔を伝えられないとう大きなマイナス面もあります。

「マスクなんかいらない」

介護の仕事をしているとついこんな気持ちになる時があります。今はお客様の安全を第一に考えると仕方ありませんが、いつか安心してマスクを外すことができた時には、今までできなかった分の笑顔をお客様にいっぱい届けたいと思っています。そうなる日が早く来ることを願って。

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