お客様の夢をかなえる施設へ、先進的な取り組みを紹介します。
健康のベース「生活リハビリ」＋「ツクイスクール」
ツクイ・サンシャイン杉並は、24時間の看護師配置に加え、理学療法士（PT）や作業療法士（OT）・言語聴覚士（ST）など、合わせて10名の機能訓練指導員が在籍し、お客様への充実した機能訓練をご提供しています。そんな当施設が推進するのが、「お客様の在宅復帰を目指すプログラム」です。一般的に、介護付有料老人ホームは一度入居すると、条件が揃わなければ自宅にはなかなか戻れないと考えられがちです。しかし、私たちはたとえ1時間でもお客様のご自宅で、ご家族との時間を過ごしていただきたいと考えています。
そのベースになるのが、「生活リハビリ」＋「ツクイスクール」です。生活リハビリは、日常生活上でおこなう活動（ADL）をリハビリと捉えた訓練で、機能訓練指導員による訓練を継続的に実施し、脳の活性化、身体機能の維持、自主性を引き出す場です。そしてツクイスクールでは、認知機能の向上と精神賦活を目的にした脳トレ、さらにご自身で動ける方には、サーキットトレーニング式の「小集団体操+ 機能訓練機器運動」までさまざまなプログラムをご用意しています。お客様にはひと月のカレンダーの中に記載されたプログラムの内容から、ご興味のあるものに自主的に参加いただきます。これらのプログラムは常に数名が集まって取り組みますが、「色んな方に会えるのが楽しみ」と、意欲を見せてくださっており、今やコミュニティとしての機能も欠かせません。加えて、スタッフにとっても、お客様の現状把握や、会話のきっかけができるなど、新たな発見の場にもなっています。
夢の在宅復帰を本格化
この4月からは、いよいよ在宅復帰への取り組みも本格化。ツクイ・サンシャイン各施設では、お客様のかなえたい夢のお手伝いをする「夢ケア」を掲げていますが、ご本人やご家族の帰宅への思いは、この理念にも通じるもので、機能訓練指導員を中心に、多数のスタッフと施設全体で計画を策定しています。
A様（80代・男性）は、ご本人とご家族の双方から在宅復帰のご要望があり、継続支援をさせていただいています。以前は奥様と二人暮らしをされていましたが、がんの手術後のお身体に不安があり、機能訓練を通して身体機能が回復してから、ご自宅に戻りたいとのことでした。このご希望を受け、まずご入居の段階でケアマネジャーとご帰宅の意志を再確認し、3カ月程度のスケジュールをご提示させていただきました。同時に、ご入居1週目に「身体・嚥下・認知」といった機能全体の評価をし、2週目にはご本人にPTやご家族などが同行して、家屋調査を実施しました。機能訓練に関しては、ご帰宅まで1日2回の訓練を3カ月継続的におこなっていく予定です。
ひと月ほど経過した現状では機能訓練は順調ですが、その反面、課題も見えてきました。家屋調査では、屋内の生活動線内に多数の段差を確認しました。また身体機能では、通常生活に耐えうる体力への不安やふらつき、入浴動作時の手順などの問題があります。さらに、お食事の面ではペースト食などを召し上がっているため、準備についてご家族への説明が必要なうえ、ご帰宅後は服薬指導も必須です。当施設では、こうした課題をどのようにクリアし、どう機能訓練に反映するか、ご家族、ケアマネジャー、介護スタッフを交えて、随時カンファレンスをおこなっています。本格的なご帰宅の前には、試験的に一時帰宅や外泊を考えており、そこで生じた課題をさらに検討し、最終的には3カ月目での完全な在宅復帰を目標に、皆で尽力しています。
先進的な取り組みで魅力ある施設へ
これまで介護施設では、お客様にご自宅に一時帰宅していただきたい思いはあっても、実際には施設側のマンパワー不足、業務の多忙さなどから、満足に計画が実行できないケースが多々ありました。そんな中で、ツクイ・サンシャイン杉並が目指すのは、お客様のご希望に応えられる「機能訓練強化型」の施設です。また、「ショートステイ」のサービスに関しても、施設から一時的にご自宅にお戻りいただく、従来とは真逆のアイデアを用意しています。本来は介護者の休息や負担軽減を図る目的で施設に預けるショートステイですが、逆になることで、お互いに新鮮な気持ちで、楽しい時間を過ごしていただけると考えています。
こうした新たな流れを作るためには、やはりひとりでも多くのお客様に在宅復帰を実現いただくことが重要です。この成功体験を蓄積することが、お客様ご自身だけでなく、その先のご家族や地域をもケアできる、先進的な取り組みにつながると信じています。