現場スタッフ目線の提案が、お客様のご希望に寄り添った「夢ケア」の実現につながっています。
ご希望を可能な限りサポート
居室数34室、ワンフロアあたり17名というアットホームな環境が特長のツクイ・サンシャイン郡山は、小規模ならではの距離感で、さまざまな状態のお客様が和気あいあいと生活されています。当施設の方針は、お客様の「行きたい」「食べたい」「やってみたい」といったご希望を、可能な限りサポートしてかなえて差し上げることです。
中でも大切なことは、どんな小さなご希望であっても、そのお気持ちに寄り添うことです。また、お客様の中には、ご自分で十分に意思を示せない方もいらっしゃいます。そのため、常日頃そばにいるスタッフが様子を伺い、お客様の趣味嗜好、ご家族との関係性、身体の状態などから、個々の判断で「夢ケア」のご提案をすることも大切にしています。こうした現場スタッフの提案により実現したお客様のご希望は、担当介護スタッフの同行による群馬県の温泉での一泊旅行、提携医も交えたご自宅でのお看取り、自営業のお客様を改装された店舗にお連れするなど、さまざまです。もちろん、お客様やそのご家族には、ご入居の際に「夢ケア」の説明は行っていますが、実際に取り組みを体験されると、「介護施設がここまでやってくれるのか」と驚かれ、感動の声を多く頂戴しています。
スタッフ発の「夢ケア」で思いに寄り添う
事例を紹介します。A様（80代・男性）は、昔から釣りを趣味にされていましたが、ご入居後に徐々に介護度が上がり、出かけることができなくなってしまいました。A様とご子息はとても仲が良く、週末は海や川に頻繁に釣りに行かれていたというお話を伺っていたため、一度出かけてみませんかとご提案しました。当日は安全面を考慮した結果、釣り堀となりましたが、奥様とご子息も一緒に付き添われ、A様の介助体験をしていただきながら、一緒に釣りを楽しんだり塩焼きを召し上がったりと、久しぶりのご家族の時間を満喫されていました。ご家族は「こんな風に楽しく釣りができるとは思っていなかった」と涙ぐんでおられ、良い思い出ができましたと、おっしゃっていました。
B様（90代・女性）は、ご主人と一緒に入居されています。ご主人が食事や歩行に問題がない一方で、B様は介護度が高くなり、通常の食事が困難です。いつも面会に来てくださるご息女は、とてもご両親を大切にしておられ、B様の誕生日が近づいたタイミングで、ご家族で会食をしながらお祝いしませんかと、こちらからお声掛けをして、ご快諾いただきました。当日、留意したのは誕生日祝いの席にふさわしい、個室レストランの雰囲気作りです。とくに食事の面では、誤嚥の危険性があるB様には、ほぼ形のないペースト状の食材を成形してご提供することになりました。どのように豪華なコース料理に見せるか、ミールケアクルーや介護・看護のスタッフで試行錯誤をして臨みました。B様は食欲が若干低下しているご様子でしたが、苦心の甲斐もあり、見た目も味もたいへん満足だと頷いておられました。いつもより多く召し上がっていただけましたので、私たちも大変嬉しくなりました。
しっかりと地域に根ざす施設に
ツクイ・サンシャイン郡山は開設から16年目を迎えますが、入居されるお客様の移り変わりから、地域における取り組みの認知度が高まってきていると感じています。これまでは、要介護のお客様が病院を経て入居されるケースが多かったのに対し、近年では自立や要支援1〜2といった方々が、「ご飯がおいしいと聞いた」「自由な生活をしたいと思った」など、人づてに聞いて入居されるケースが増えています。過去に当施設にいらっしゃったお客様が、新たなお客様とのご縁を作ってくださったことは、スタッフ一同の励みになっています。あるときには、長年移動販売に来ていただいている販売員の方から「いろいろな施設を回ってきた中で、ツクイさんのお客様やスタッフは皆さん楽しそう」とおっしゃっていただけたこともあり、こうした周囲の方々の声援が、お客様のご希望を第一に考える私たちの方針に、自信を与えてくれています。
今後当施設では、コロナ禍が落ち着いたこともあり、花火大会や食事会、外出イベントなど、ご家族を交えてお過ごしいただけるイベントを積極的に実施したいと考えています。また、お客様に関わりのある近隣の医療施設、介護関連施設との関係を強化し、より自分たちの特色を知ってもらう機会も増やす計画です。何よりもお客様ファーストを大切に、末長くご希望に寄り添える施設を目指します。
