ひな人形

2023年03月05日

ひな人形が現在の形となったのは江戸時代後期からで、宮中婚礼を模したものだと言われています。
七段飾りの最上段に内裏雛、男雛と女雛と呼ばれる天皇と皇后がおり、お二人の結婚式を表しています。二段目に、お行儀や和歌・漢文の嗜みや教養のある三人官女がおり、それぞれ島台、長柄銚子、提子を持っています。三段目に、選りすぐりの美少年や秀才が集まった五人囃子と呼ばれる子供たちが能のお囃子を奏で、謡、笛、小鼓、大鼓、太鼓を持っています。四段目に、随身と呼ばれる右大臣(年配者)と左大臣(若者)というボディーガードがおり、手に弓、矢を持ち、矢を入れる胡簶(やなぐい)を背負っています。五段目に、仕丁と呼ばれる雑用係りがおり、怒り・泣き・笑いの表情から三人上戸と呼ばれています。これは、表情豊かな子に育つようにという願いが込められているそうです。六段目は、雛道具、七段目には御所車などが置かれ、当ホームのお雛様は五段目に護衛として大紋付の侍がおり、豪華バージョンです。

女の子が産まれたら立春頃に七段飾りのお雛様を飾ることが広く一般的だった昭和の時代。
小さい頃の記憶を辿ると、母親が薄葉紙に包まれているお雛様を一対一対丁寧に取り出し、このお道具はどこに置くんだっけ?といいながら飾り付けをしていたことを思い出します。
時代は流れ、令和の時代。お雛様を飾る風習も少しずつ変化し、七段飾りを飾れる人も減ってきました。当ホームの「おばあちゃんの知恵袋」。伝統を絶やさぬよう、スタッフ一同しっかりと受け継がなければ…と感じたひな祭りでした。

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