9月21日は「世界アルツハイマーデー」

「世界アルツハイマーデー」とは?

1994年9月21日、スコットランドのエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催されました。会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言し、アルツハイマー病等に関する認識を高め、世界の患者と家族に援助と希望をもたらす事を目的としています。日本でも毎年「世界アルツハイマーデー」の前後には、各地のランドマークや庁舎等がオレンジ色にライトアップされたり、イベントが開かれるなど、認知症の啓発活動が行われています。 身近な人や自分にも起こるかもしれない「認知症」。いざ自分たちが直面したらどうしたらよいのか、ツクイ 稲澤シニアスペシャリストに聞きました。

Q1. 「もしかしたら認知症?」と気づくポイントは何ですか?

A.例えば、身なりに気を配らなくなったり、季節に合わない服装をしているなど、「いつもと違う」点に注意が必要だと思います。 その他にも、同じことを何度も聞く。いつも探し物をしていて不安そうな表情をしている。怒りっぽくなった。今まで楽しんでいたことに関心を示さなくなる。など様々です。

Q2. もし、家族にそのような兆候がみられたら、どうしたらよいのでしょうか?

A.まずは、かかりつけ医に相談して、必要があれば専門医に紹介してもらってください。認知症になったとあまり悲観せず、ご本人とご家族をサポートするシステムはたくさんありますので、役所や地域包括支援センター等に相談をしてみて下さい。 認知症になっても、豊かに生きがいをもって生活されている方もたくさんいらっしゃいます。

Q3. 例えば、家族が認知症と診断された場合、接するときのポイントはありますか?

A.ご家族が認知症になった場合、とても辛い気持ちになるとは思いますが、何よりもご本人のプライドを尊重して、自尊心を傷つけたり否定したりすることは避けて下さい。 一度にたくさんのことを伝えないで「一つずつ」を心がけると良いと思います。ご家族の不安はご本人にも伝わってしまいますから、ご家族が「忘れても、出来なくても大丈夫」と心に余裕を持つことも大切なポイントではないでしょうか。 「治す方法」も大事とは思いますが、それよりも私は「どんな生活を送りたいのか」をご本人と一緒に考えることの方が肝心だと思っています。

Q4. 街を歩いていても、「もしかして認知症?」という方をお見かけしたら、私たちに出来ることはあるのでしょうか?

A.まずは、少しの間観察してください。ヘルプカードやオレンジリングを身に着けていることもあります。そして、その方の視界に入ってから、自然な笑顔で「こんにちは」「良いお天気ですね」など挨拶して、「何かお困りですか?」「どちらにいらっしゃるのですか?」など、お声がけしてみてはいかがでしょうか? もしも自宅等の連絡先が分からなくて助けが必要な場合は、迷わず警察や役所に連絡して下さい。

一人ひとりが認知症へ関心を持って理解を深めることが、「認知症の方が住みやすい街づくり」につながるのではないでしょうか?「世界アルツハイマーデー」がそのきっかけになれば素敵ですね。


コラム監修

株式会社ツクイ サービス管理部 サービス品質課
シニアスペシャリスト 稲澤 菊子
介護支援専門員/介護福祉士/神奈川県認知症介護指導者

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